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8. SLS についての計算

始めに

SLS においては,屈折率 n が 1 ではないため,媒質中の波長 λ は,真空中の波長 λ0 に比べて短縮しています.式で書くと,

λ = λ0 / n  (8.1)

となります.

通常の実験において,λ0 は光源によって決まっています.したがって,SLS における q を計算する際には,λ0n から λ を求めた上で,q を求める必要があります.ここでは,この計算を,計算尺上で行う方法を説明します.

操作方法

(1)上滑尺にある n 尺(L 尺と共通)の 1 を赤色の原点マークに合わせます.(初期位置ではそうなっています.)

(2)中滑尺をドラッグして λ 尺を真空中での波長(λ0)の値に合わせます.

(3)上滑尺のクリーム色の部分をドラッグして, n 尺を溶液の屈折率に合わせます.この操作で,媒質中での波長(λ)が λ 尺に設定されます.

(4)これで,θ [S] 尺上に散乱角 θ が,q 尺上に各 θ に対応する q が表示されています.カーソルを合わせて読み取ってください.(※)

※ SLS では,平面検出器ではなく,ゴニオメーターを使って,それぞれの散乱角度 θ における散乱強度(またはレイリー比)を測定します.したがって,x 尺は通常使用しません.