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1. 各部の名称と役割

始めに

小角散乱用計算尺を立ち上げると,下のような計算尺が表示されます.このページでは,各部品の名称と役割(操作方法)について,簡単に説明します.

SAXS計算尺の各部
画像を別ウインドウで表示しながら見ると便利です.

@ 固定尺

画面上に固定されており,動かすことができません.タッチパネルでは,水平方向にドラッグすることでスクロール禁止が解除され,画面をスクロールできます.以下の目盛り(尺)がついています.

x 尺

検出器上のビーム中心からの距離 x を示す目盛りです.

hν 尺

光子の波長とエネルギーの換算のための目盛りです.x 尺と共通となっています.

A 上滑尺

ドラッグすることにより水平方向に動かすことができます.タッチパネルでは,タップすることでスクロールが禁止され,尺のみを動かすことができます.以下の尺がついています.

L 尺

試料―検出器間距離(カメラ長) L を設定するための目盛りです.使用する際は,上滑尺を移動させ,設定したいカメラ長にFに示す原点マークを合わせます.

n 尺

光散乱において,屈折率 n を考慮するために使用します.使用する際は,上滑尺を移動させ,設定したい屈折率にFに示す原点マークを合わせます.目盛りは L 尺と共通です.

θ[T] 尺

設定された L において,x に対応する散乱角度 θ を表示します.目盛りは log(tanθ) の位置に刻まれています.

θ[S] 尺

設定された波長 λ (後述)において,θ に対応する散乱ベクトルの大きさ q を計算するために使用します.目盛りは log[2 sin(θ/2)] の位置に刻まれています.

θが小さいときは,θ ≈ tan θ ≈ 2 sin(θ/2) であるので,θ[T] 尺と θ[S] 尺の目盛りは同じですが,θが大きくなると両者はずれていきます.

B 中滑尺

ドラッグすることにより水平方向に動かすことができます.タッチパネルでは,タップすることでスクロールが禁止され,尺のみを動かすことができます.この尺を動かすとC下滑尺も同時に動きます.以下の尺がついています.

λ 尺

試料中での波長 λ を設定するための目盛りです.使用する際は,上滑尺を移動させ,設定したい波長とFに示す原点マークを合わせます.

q 尺

設定された波長 λ において,θ [S] 尺に表示された θ に対応する散乱ベクトルの大きさ q を表示します.

C 下滑尺

ドラッグすることにより水平方向に動かすことができます.タッチパネルでは,タップすることでスクロールが禁止され,尺のみを動かすことができます.以下の尺がついています.

∝ 1/q 尺

q 尺 の値に対応する 1/q × (定数) の値を表示します.(定数) の値は q = 1 に対面する ∝ 1/q 尺の値となります.

D 全滑尺移動領域

ドラッグすることにより全ての滑尺ABCを同時に水平方向に動かすことができます.タッチパネルでは,タップすることでスクロールが禁止され,尺のみを動かすことができます.

E カーソル

値を読み取るために使用します.ドラッグすることにより水平方向に動かすことができます.3 枚付属しており,それぞれ独立で動かせます.タッチパネルでは,タップすることでスクロールが禁止され,カーソルのみを動かすことができます.

F 原点マーク

L (n)尺および λ 尺の値を設定するために使用します.このマークに対面する各尺の値が,その尺について設定された値となります.

G リセットボタン

ページを再読み込みします.

注意事項

黒色の目盛りどうし,青色の目盛りどうしは厳密に対応しています.色の異なる目盛りは, θ が小さいときは近似的に同じとみなせますが,大きいところでは,ずれているので,注意が必要です.

マウスホイールによる操作方法

ドラッグした尺またはカーソルの位置を,マウスホイールを使って微調整できます.

キーボードによる操作方法

以下のキーでパーツを選択し,M キーで→へ移動,N キーで←へ移動,Shift キーを押しながら操作すると高速移移動ができます.

Q : A上滑尺

A : B中滑尺

Z : C下滑尺

W : D全滑尺

R,G,B : E赤,緑,青カーソル

X : 移動禁止