Bragg の面間隔と d と散乱ピークの q との間には,
dq = 2 π N (N は自然数) (4.1)
の関係があります.1 番目(N = 1)のピークの q と d の関係は,
d = 2 π / q (4.2)
となります.ここでは,この対応関係を計算尺上に表示する方法を説明します.
(1)下滑尺をドラッグして,∝1/q 尺の 2 π を,q 尺の 1 に合わせた状態にします.(初期位置ではそうなっています.)
(2)これで,∝1/q 尺 には 2 π / q,すなわち q に対応するブラッグの面間隔 d が表示されています.カーソルを目的とする q に合わせ,対面する ∝1/q 尺 の値を読み取れば,d の値を求めることができます.
(3)(2)とは逆に,上記の状態で ∝1/q 尺 上で,目的とする d の目盛りを探し,それに対面する q 尺の目盛りを読むことで,d に対応する 1 番目のピークの q を求めることができます.
設計時に想定した機能ではありませんが,x 尺を通常の計算尺と同じように乗算に用いることで 2 番目以降のピーク位置を表示できます.
(1)カーソルを x 尺の 1 に合わせます.
(2)全滑尺移動領域(灰色部分)をドラッグして,q 尺上の 1 番目のピーク位置の目盛りが,カーソルに合うように動かします.
(3)別のカーソルを,x 尺の x = 2, 3, 4,... の位置に合わせ,q 尺の値を読み取ると,2,3,4,... 番目のピーク位置が求められます.
※ x 尺の代わりに,θ [S] または θ [T] 尺の値が小さいところを使うこともできます.その場合は 0.001 などを 1 に読み替え,そのほかの目盛りも 1000 倍に読み替えるなどして下さい.